鶏は、隣に誰かが引っ越して わくわく!
でも、お隣さんはなかなか姿を表しません。
実は、お隣さんと言うのは・・・・・・。
森の奥には家が2けん立っています。
赤い屋根の家には鶏が住んでいます。
青い屋根の家には誰も住んでいません。
鶏はお日様が上るころ 起きて
朝ごはんを食べて 遊んで
昼ごはんを食べて 遊んで
おやつを食べて 遊んで
夜ごはんを食べて 遊んで
お日様が沈むころ 寝る と言う
一人で 気儘な暮らしをしています。
ところがある朝 外に出て見て びっくり!
隣に誰か引っ越しして来たようです。
一人で遊ぶのはちょっと退屈になっていたので
鶏は嬉しくなりました。
「まだ寝てるのかなあ?留守かなあ?」
その日 青い屋根の家の前を行ったり来たりしました。
でも 誰も出て来ません。
とうとう 寝る時間です。
「明日会えるよね?」
でも 次の日も その次の日も その次の次の日も・・・・・・
全然会えません。
「向こうから挨拶に来るべきだよね」
「引っ越しで疲れて 寝込んでいるのかな?」
「一人の方が気楽だもんね」
「一緒に遊ぶと楽しいだろうなぁ」
「やっぱり 会いたい!」
そこで鶏は手紙を書いて
隣の家のドアに貼っておくことにしました。
「僕は隣に住むものです。
よかったら明日うちに遊びに来ませんか。」
その日の夜・・・・・・
青い屋根の家のドアが開いて誰か出て来ました。
梟です。
梟は 鶏は 客で
お日様が沈むころ 起きて
お日様が上るころ 寝ます。
そうなんです。
梟も引っ越して来てからずっと
隣に挨拶に行っていたけれど 擦れ違いだったんです。
だから 手紙を見つけれ 大喜び。
すぐに返事を書きました。
「ありがとう。
絶対行きます。
明日が楽しみです。」
次の朝鶏が起きて来ました。
返事を見つけて 大喜び。
みじたくして
お料理して
部屋を飾って
待ちます。
待ちます。
待ちます。
待ちます。
待ちます。
いっぽう 梟は・・・・・・
楽しみで 楽しみで
もうとっくに起きて 暗くなるのを待っています。
待ちます。
待ちます。
待ちます。
もう来ないかな?
でも ちょっと外を見て見よう!
もういいかな?
ちょっと 外に出て見よう。
二つのドアが開いて・・・・・・
やあ!
やあ!
森の奥には家が2けん立っています。
赤い屋根の家には鶏が住んでいます。
青い屋根の家には梟が住んでいます。
あれっ 2けんの家の間に 何か立っています。
何でしょう?
これは二人のでんごうばん。
あまり会えないけど
いつもこれでお話しているんだって!
「梟さんに:
これ、プレゼント!
今日町で見つけたよ。
これをかけると
昼でも夜みたいなんだって。
鶏より」
〜眼鏡ですよ。