ある日うさこちゃんが言いました。
「ほら ご覧なさい 窓から外を。
雪が降ったわ あんなに沢山。
ばんざい。遊びに行ってもいい?」
「方々の家の屋根が真っ白よ。
教会の屋根もきらきら光ってる。
行ってまいります 父さん 母さん。
よく気をつけて 遊んで来るわ。」
うさこちゃんは急いで帽子をかぶり
長靴もちゃんとはきました。
それから襟巻きに手袋。
これで支度は出来ました。
ああ ああ 素敵 面白い。
そりから面も平気です。
雪の上なら痛くない。
それからスケートで滑りました。
氷はつるつるしています。
ころんだときちょっと痛かったけど
でも怪我なんかしませんでした。
それから雪だるまを作ります。
大きな 大きな 雪だるま。
母さんにもらった人参で
雪だるまの鼻が出来ました。
あら あそこに 小さな鳥が!
小鳥は泣いて言いました。
「なんて寒いんでしょ うさこちゃん。
私は雪がきらいです。」
「おやまあ あなたはお家がないの?
なんてかわいそうなんでしょう。
ああ そうだ! いいことがある!」
うさこちゃんは小鳥に言いました。
そしてお家の父さんに
金槌や木切れを借りて
「さあ これからあなたの入る
りっぱなお家を作るのよ。」
うさこちゃんは一日 とんかんかん。
小鳥のお家が出来ました。
小鳥はとても喜んで
可愛い歌を歌います。
そのとき家から母さんが
「まあ うさこちゃんの偉いこと。
なんてりっぱなお家でしょ。
でも、もうネンネのじかんです。」
寝巻きに着替えたうさこちゃんは
もう一度窓から覘きます。
「小さな鳥さんお休みなさい。
明日また一緒に遊びましょ。」