昔々、ロシアの国に、イワンという正直な子供がいました。
イワンは、背中にこぶのある、不思議な子馬と仲良しでした。
ある日、イワンは道で綺麗な羽を見つけました。
「それを拾うと、きっと悪いことが起こります。」
子馬がそう言ったのに、イワンは、その羽をうちに持って帰りました。
王様の家来が、その羽を見つけて、王様に言い付けました。
「イワンは、火の鳥の羽を持っています。」
王様は、イワンに言いました。
「火の鳥を取って来い。」
イワンは困って、子馬に相談しました。
「仕方がありません。私の背中にお乗りなさい。」
イワンは、子馬の背中に乗って、火の鳥の所へ飛んで行きました。
イワンが袋を開けると、眩しい光と一緒に、火の鳥が出て来ました。
「うわあ、すごい鳥だ。」王様は、すっかりおどろいてしまいました。
「よし、今度は、海のそこに住んでいるお姫様を連れて来い。」王様が言いました。
「大丈夫です。私が助けてあげます。」
子馬に言われて、イワンは、元気を出しました。
イワンと子馬は、遠い海まで飛んで行って、お姫様を連れて来ました。
「私のお嫁さんに成ってくれ。」
王様が頼むとお姫様は、
「海の底から、指輪を取って来た人のお嫁さんに成ります。」と言いました。
イワンはすぐ、指輪を探しに出かけました。
その途中、イワンは、鯨を助けてやりました。鯨は、お礼に指輪を海の底から取って来てくれました。
イワンが指輪を取って来たので、お姫様はイワンのお嫁さんに成りました。それから、二人は子馬と一緒に、仲良く暮らしました。
終わり。
エルショーク・原作