昔々子供がいないお祖父さんとお祖母さんが神様にお願いをすると小指くらいの男の子が生まれました。
「名前は一寸法師にしましょう。」
二人が沢山ご飯を食べさせたので一寸法師はとても元気に育ちました。
「爺様、婆様、おいら都を見て来たい。」
一寸法師は針を刀にして、こしにさし、お椀に乗って、川をのぼって行きました。
都に着いた一寸法師は初めに大臣の屋敷に行きました。
大臣は、体は小さいけれど元気な一寸法師をたいそう気にいり、自分の家で働かせることにしました。ある日お姫様がお参りをするので、一寸法師がお友をすることになりました。
お参りが無事にすんでかえろうとしたときです。
「甘いそうな娘じゃあ。」
鬼突然お姫様におそいかかりました。
一寸法師は鬼の口の中に飛び込み、刀で鬼のおなかの中をチクリチクリ。
「いててててこりゃかなわん。」
「おや小槌が落ちているわ。」
おおあわての鬼が願いが叶う打ち出の小槌を忘れていったのです。
「お姫様、私の背を高くしてください。」
お姫様が小槌を打つと一寸法師の背が高くなり、立派な若者になりました。
この話しを聞いて大臣は大喜び。
「姫を嫁にもらっておくれ。」
一寸法師はお祖父さんとお祖母さんを呼び、お姫様と結婚して、幸せに暮らしました。